明治六年、開港間もない神戸の地に森谷商店は生まれました。以来、145余年をかけて牛肉のおいしさをひとすじに追求してきました。
様々な土地に足を運び実際に確かめ、老舗ならではの長年の経験で培われた確かな知識と目で見極めた牛肉。
産地にとらわれず、品質と味にこだわり尽くしたその肉こそが「森谷の肉」です。
専門的になりますが、肉の選別には「肉質」と同様に「脂質」を見極める力が大変重要になります。
意外と知られていないのですが、肉の甘味というのはこの「脂質」の甘みも重要な要素であり、熱で溶けて肉の繊維をほぐして柔らかくし口中にその風味を広げる役割を担っているのもこの「脂質」なのです。
肉のおいしさを表現するのに「とろけるような舌触り」「芳醇な香り」という言葉がよく使われますが、実はこの「脂質」がそのおいしさの影の立役者となっているのです。
それはひとえにこの見極めの力の差であり、肉類は野菜や魚と違って見た目では分かり難く、また「熟成」期間も必要ですので鮮度が勝負というわけではありません。
特に高品質になればなるほど見分けることが困難になります。
当然ながらこれらの力は一朝一夕で身につくものではありません。
豊富な経験とともに、肉の知識はもちろんのこと、どれだけ各地の牛の特徴を熟知しているか、地域の牧場の情報をどれだけ持っているか、次のいち場(セリ)ではどんな牛が出品されるのかという情報をいち早く手に入れられるかということも重要になってきます。
当店では長年培ってきたその技と知識・ネットワークを伝承し、全国各地の生産地を周り、その目で選んだ肉だけを責任を持ってご提供しております。 ですから、銘柄にとらわれることなく品質で選んだ肉を「森谷の肉」として自信をもってご提供することができます。